井上 知紀
株式会社と合同会社の違い【基本編】〜岩手・盛岡で開業しよう!〜
更新日:5月16日
起業の際の一般的な形態として「株式会社」と「合同会社」がありますが、それぞれどのような違いがあるのでしょうか。
こちらでは株式会社と合同会社について、最低限覚えておきたい違いについて解説をします。
1.株式会社
株式会社は「株式」を発行することによって資金を集めて経営を行っていきます。
起業当初や会社規模が小さいうちは株主=経営者であることも多いかと思いますが、株主=経営者である必要はありません。
上場会社をイメージすると分かりやすいです。
上場会社の株は日々売買されていますが、日々売買している方々=経営者にはなりません。
自身で株式を保有し取締役等として経営にあたる方、株式は保有しているものの経営等には関与せず株の売買益や保有による配当を期待している方などがいます。
株式所有者と会社経営者を分けることができることから、これを「所有と経営の分離」と表現することがあります。
株主総会においては基本的に1株につき1票与えられ、会社の重要事項等について投票を行い決定していきます。
普通決議の場合は2分の1、特別決議の場合は3分の2の賛成が必要のため、株式の所有割合(出資割合)が多ければ多いほど会社としての意思決定に対し影響力を持ちます。
株式を発行することで柔軟に資金調達をすることができますが、このような背景があるため所有割合には注意が必要です。
ライバル会社の株を買収して実質的な経営権を取得することが可能だからです。
※こちらでは深く言及しませんが、もちろん簡単な話ではありません。
戦略的な買収が行われた場合、いわゆる親会社-子会社といった関係性が生まれます。
2.合同会社
次に合同会社の場合、出資者=経営者となります。
出資者のことを「社員」と呼びますが、従業員のことを指す「社員」とは異なります。
株式会社と異なり株式を発行して資金調達をすることはできません。
資金調達する際は社員による増資、金融機関の融資、国等の補助金が主になってきます。
出資者は会社に対し「持分」を有しますがこれは出資割合によって与えられるわけではなく、各社員が1つずつ持ちます。
そのため例えば社員が2名の場合、意見が異なってしまうと会社としての意思決定ができなくなってしまいます。
ただ、株主総会を開く必要がないため意思決定を早く行うことができるというメリットがあります。
合同会社は平成18年に新しくできた法人格のため、かつては株式会社に比べて「知名度が低い」と言われていました。
ですが昨今ではスモールスタートの起業が増えるとともに合同会社が選ばれることも多くなり、あまり気にする点ではないかと思います。
後述しますが会社設立費用を安く抑えられ、かつ設立の手間や運営上の手間も少ないところが魅力です。
3.まとめ
様々な違いがある株式会社と合同会社ですが、図にすると下記のようになります。
株式会社 | 合同会社 | |
所有者 | 株主 | 社員 |
経営者 | 取締役 | 出資者全員(原則) |
意思決定機関 | 株主総会 | 社員総会 |
経営の柔軟性 | 低い | 高い |
利益配分 | 出資割合による | 定款で自由に規定可能 |
決算公告 | 必要 | 不要 |
設立費用 | 約20万円 | 約10万円 |
設立時の定款認証 | 必要 | 不要 |
株式会社と合同会社のどちらにもメリット・デメリットがあり、どちらが良いとは一概には言えません。
両方の違いを把握した上で自身の考えや事業の方向性に合った形態を選択しましょう。
当事務所のある岩手県に関して言えば、民営事業所数は2016年の58,415事業所から2021年は53,944事業所へと減少傾向にあります。
人口が減少しているため仕方ない部分もありますが5年で約4,500事業所減っており、地域活性化のためにも創業される方が増えて欲しいなと考えております。
(出典:岩手県ふるさと振興部 令和3経済センサス-活動調査速報)
そのため、当事務所は新しく創業される方や事業を行っている方を全力で応援します。
ぜひお気軽にご相談ください。
【岩手・盛岡で会社設立と言えば“行政書士いのうえ法務事務所”!】
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