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  • 執筆者の写真井上 知紀

NPO法人って利益をあげちゃいけないの?

更新日:4月23日

特定非営利活動法人って「非営利」だから、利益を上げちゃいけないのではと勘違いされている方が多くいらっしゃいます。


ここでは特定非営利活動法人の収益構造について解説をします。



1.利益は上げてもよい

まず、大前提として利益を上げることは認められています。


名称にある「非営利」とは利益の有無ではなく、組織構成員への利益分配の有無を意味します。


そのため


・営利法人 → 利益分配 “可”

・非営利法人→ 利益分配 “不可”


となります。


営利法人は株式会社や合同会社で、分配とはいわゆる「配当」ですね。


また非営利法人は特定非営利活動法人(以下、NPO法人)以外にも、一般社団法人、公益財団法人、学校法人等もあります。


非営利法人は配当を行わず利益は法人の活動資金となり、法人解散時に残余財産があれば


・特定非営利活動法人

・国または地方公共団体

・公益社団法人または公益財団法人

・学校法人

・社会福祉法人

・更生保護法人


のいずれかに帰属させることとなります。


定款で特定の法人に帰属させることもできますし、上記法人・国・地方公共団体のいずれにも帰属させない場合は、国庫に帰属することとなります。


定款作成時に決めておくこともできますが、解散時の総会で決めることもできます。


利益を上げてもいいことは分かりましたが、NPO法人の場合はあくまで特定非営利活動が主たる目的でなければいけません。


では、NPO法人はどのような収入で運営されているのでしょうか



2.NPO法人の収入

NPO法人の主な収入は、下記の5つとなります


①会費

正会員や賛助会員に年(月)会費を設けている場合。個人や法人、営利法人・非営利法人等により金額に差を設けているケースが多いです。


②寄付金

年会費のように定期的なものではなく、活動趣旨や内容に賛同した個人・法人等から提供を受ける金銭や物資のこと。


③助成金

条件を満たし審査を経れば基本的に受け取ることができるもの。国や地方公共団体だけではなく、大手の営利法人が社会福祉の一環として募集しているケースもあります。


④補助金

国や地方公共団体が審査基準を設け募集し、申請のあった案件の中から採択可否を決定し交付するもの。要件を満たしていても他に良い案件があれば交付されないこともあります。


⑤収益

活動を行う中でサービスの対価として受け取るものや、活動費捻出のために物品販売等を通して得たもののこと。


NPO法人は利益分配しないものの、営利法人同様に収入を得て収益を上げ、経営していかなければいけません。


NPO法人を対象とした助成金や補助金は多い(特に助成金)ものの、それらは毎年募集が確約されているものではありません。


助成金や補助金に頼りの経営は不安定になりがちなため、事業ビジョンを確立し、会費を中心とした収益構造が望ましいです。


上記5つ以外にも、特に施設や人員を有する介護施設等では融資による資金調達も1つの手段です。



3.運営にかかる主な費用は?

NPO法人の中にはボランティアの性格が強い事業を中心に行なっており、施設や人員を抱えていない法人もあります。


その場合には家賃や人件費は発生せず、年間の費用がほとんどかからない場合があります。


一方で介護施設等の場合は家賃と人件費が発生し、またNPO法人だからと言って給料が安いとか、安くてもいいとかはありません。


2章で解説した収入を得て、家賃・人件費・その他運営費等が差し引かれて利益(損失)となります。


ここでは解説しませんが、税法上の収益事業に対しては税金が課されますので注意が必要です。



4.終わりに

この記事では


・NPO法人でも収益を上げることができること

・NPO法人の主な収入


について解説をしました。


他の記事ではNPO法人の設立の流れについても記事にしています。


設立をご検討中の方はご参照いただけますと幸いです。


何かご不明点等ございましたらお気軽にご相談くださいませ。



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