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会社設立後の手続き−岩手盛岡の会社設立に精通した行政書士が教えます−

執筆者の写真: 行政書士 井上 知紀
行政書士 井上 知紀
2024年1月9日
読了時間: 7分

更新日:9月21日

 法人登記が終わったからと言って会社設立に関する手続きが全て完了したわけではなく、会社設立後にも行うべき手続きがいくつかあります。税務、社会保険、労務といった手続きがありますが、全体を通してどんな手続きが必要かご存知ですか?


個人事業の方が法人成りするときはある程度理解されていることもありますが、特に元々会社員の方だと理解が難しいと感じるケースがあるかと思います。


こちらの記事ではこれから岩手県内で会社設立を予定されている方向けに、会社設立後に必要な手続きについて中小企業支援専門の行政書士井上が詳しく解説します。


[目次]



1.会社設立後の手続き①税務署

 会社設立後の手続きの中でも、特に種類が多いのが税務関係の手続きです。原則として提出するものや提出するケースが多いものに絞って解説します。


【法人設立届出書】

 まず基本となるのが「法人設立届出書」です。原則として、会社設立の日から2か月以内に納税地を管轄する税務署へ提出します。


定款の写し、会社の登記簿謄本を添付します。


【青色申告の承認申請書】

 設立第1期から青色申告を行いたい場合に提出します。提出期限は原則として、「会社設立の日から3か月を経過した日」または「第1期の事業年度終了の日」のいずれか早い日の前日までです。


会社設立直後はさまざまな支出が発生します。青色申告の適用を受けることで欠損金の繰越控除などを利用できるため、設立時に確認しておきたい重要な手続きです。


【給与支払事務所等の開設届出書】

 役員報酬や従業員への給与を支払う場合には、「給与支払事務所等の開設届出書」を提出します。提出期限は、給与支払事務所等を開設した日から1か月以内です。


社長1人だけの会社であっても、役員報酬を支給する場合には確認が必要です。


【源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書】

 給与の支給人員が常時10人未満の場合には、源泉所得税を年2回にまとめて納付できる特例があります。


この制度を利用する場合に提出するのが「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」です。提出期限は特に定められておらず、随時提出できます。


小規模な会社では事務負担を軽減できるため、会社設立時に検討しておきたい手続きの一つです。


【棚卸資産の評価方法の届出書】

 商品・製品・原材料などの棚卸資産を保有する会社が、その評価方法を選択する場合に提出します。提出期限は、原則として設立第1期の確定申告書の提出期限までです。


なお、届出をしなかった場合には法定評価方法が適用されるため、すべての会社が必ず提出しなければならない書類というわけではありません。


【減価償却資産の償却方法の届出書】

 建物、機械、車両、備品などの減価償却資産について、一定の償却方法を選択する場合に提出します。提出期限は、原則として設立第1期の確定申告書の提出期限までです。


税務関係書類は専門的な知識を必要とするものが多いです。会社設立後は税理士と顧問契約を結ぶと思いますので、顧問税理士と相談されることをオススメします。


税務署に提出する書類
税務署に提出する主な書類


2.会社設立後の手続き②岩手県・各市町村

 法人を設立すると国税だけでなく法人住民税や法人事業税などの地方税も関係してきます。そのため岩手県と会社所在地の市町村に対し「法人の事業開始等申告書」を提出します。


提出期限は、法人設立などの事実が生じた日から10日以内です。各自治体にもよりますが、定款の写しと会社の登記簿謄本などを添付する必要があります。


国税と地方税では提出先が異なるため、「税務署に法人設立届を提出したから、これですべて終わり」と考えるのではなく、

  • 国税

  • 県税

  • 市税

はセットで考えましょう。



3.会社設立後の手続き③年金事務所

 健康保険・厚生年金保険についても確認が必要です。代表的な提出書類は、


  • 健康保険・厚生年金保険 新規適用届

  • 健康保険・厚生年金保険 被保険者資格取得届

  • 健康保険 被扶養者(異動)届


などです。


「社長1人だけの会社だから社会保険は関係ない」と考えてしまうことがありますが、法人事業所は原則として健康保険・厚生年金保険の適用事業所となります。


役員報酬を設定する際には、税金だけでなく社会保険料の負担も考えて金額を決めることが重要です。


いつから役員報酬を払うかによって加入できる時期が変わりますので、まずは管轄の年金事務所に相談されるとよいでしょう。



4.会社設立後の手続き④労働基準監督署

 会社設立と同時に従業員を雇用する場合には、労働保険の手続きが必要になります。最初は従業員を雇用せず1人会社や役員のみの場合、手続きは不要です。代表的な書類は次のとおりです。


  • 労働保険 保険関係成立届

    →原則として保険関係成立の日から10日以内

  • 労働保険 概算保険料申告書

    →原則として保険関係成立の日から50日以内


さらに、常時10人以上の労働者を使用する場合には「就業規則」の作成・届出も必要になります。



5.会社設立後の手続き⑤ハローワーク

 雇用保険の適用対象となる従業員(※)を雇用した場合には、ハローワークでの手続きも必要です。


主な書類は、


  • 雇用保険適用事業所設置届

    →原則として保険関係成立日の翌日から10日以内

  • 雇用保険被保険者資格取得届

  →原則として被保険者となった日の属する月の翌月10日まで


です。


会社設立と同時に従業員を採用する場合には、社会保険・労働保険・雇用保険をセットで確認しておきましょう。


※雇用保険の適用対象となる従業員とは下記2つの要件を満たす従業員を指します

  • 1週間の所定労働時間が20時間以上であること(令和10年10月1日からは10時間に引き下げ)

  • 同一の事業主に継続して31日以上雇用されることが見込まれること


会社設立後の手続き


6.会社設立後の手続き⑤法人口座の開設

 法的に義務付けられているわけではありませんが、会社設立後には法人の銀行口座を開設することが一般的です。


口座開設には会社の登記簿謄本が必要なため、会社設立後でないと作成できません。


昨今ではマネーロンダリングの防止や口座の不正売買防止の観点から、申し込みから作成まで2週間程度かかります。


また申し込んだものの口座開設を断られてしまったというケースも耳にします。


融資を申し込むかどうかに関わらず事業計画書を作成したり資本金を厚くしたりするなど、事前の設計が重要になります。


メガバンクに相談するのではなく、岩手銀行や北日本銀行、盛岡信用金庫など地方の金融機関にまずは相談されることをオススメします。



7.まとめ|会社設立後の手続きまで含めて準備しよう

 ここまで解説してきたように、会社設立は法務局で登記をして終わりではありません。


設立後には、税務署、年金事務所、労働基準監督署など、複数の行政機関への手続きが発生します。


創業当初はただでさえ考えなければいけないことが多く、事前に準備できれば創業当初の負荷が大幅に軽減されます。


行政書士いのうえ法務事務所では、岩手県盛岡市を中心に、会社設立から各種許認可、創業時の資金調達まで、事業のスタートを一貫してサポートしています。


「会社を設立したいけれど、何から始めればよいか分からない」

「会社設立後に必要な手続きまで教えてほしい」

「許認可や融資まで考えたうえで会社を作りたい」


とお考えの方は、ぜひ行政書士いのうえ法務事務所までご相談ください。


当事務所ではご契約いただいたお客様に会社設立後のチェックシートを無料でプレゼントしています。


  この記事を書いた人

井上知紀行政書士

井上知紀

行政書士・許認可×資金調達プロデューサー

運行管理者資格 所有

地方銀行での融資・法人営業経験を活かし、許認可と資金調達の両面から中小企業を支援。財務要件のある運送業・建設業・産廃業廃棄物収集運搬業許可を得意としている。


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