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福祉タクシー開業に必要な『法令試験』とは?-行政書士が詳しく解説します-

  • 執筆者の写真: 行政書士 井上 知紀
    行政書士 井上 知紀
  • 11月15日
  • 読了時間: 5分

 こんにちは、岩手県盛岡市にある行政書士いのうえ法務事務所の代表井上です。ここ最近、「介護タクシー(福祉タクシー)を開業したい」というご相談を多くいただいています。高齢化の進行にともない通院や買い物などに困る高齢者・障がい者の方が増え、移動を支える福祉タクシーの存在がますます重要になっているからでしょうか。

 

福祉タクシーは単に車両を用意して営業を始められるわけではありません。国の認可を受ける必要があり、その過程で避けて通れないものが「法令試験」です。

 

今回は「法令試験」とは何か、どのように準備すれば良いのかを、行政書士の立場から詳しく解説します。

 

 【目次】


1.法令試験とは

 法令試験とは、福祉タクシーの許可申請をする際に、申請者が福祉タクシー事業および交通関連の法令を理解しているかを確認するための試験です。

 

これは一般タクシー事業や一般貨物輸送事業(いわゆる「緑ナンバー」)の許可を受ける際にも行われるもので、福祉タクシーの場合も同様に求められます。

 

福祉タクシー事業を行っていくには、

  • 一般的な交通ルール

  • タクシー事業としての車両や整備に関すること

  • 高齢者や障がい者の特性

などについても理解しておく必要があります。

 

そのため法令試験の試験勉強を通して、適切な知識を身に着けていくことが求められます。


 

2.試験の実施主体と受験対象者

 法令試験は、岩手県の場合「東北運輸局」が実施しています。会場自体は岩手運輸支局です。


受験対象者は開業予定の方が個人事業主の場合は「本人」、法人の場合は「許可後に福祉タクシー事業を執行する常勤の役員」となります。


代理人や従業員、福祉タクシー業務を執行しない役員等が代わりに受験することはできません。

 

試験は許可申請があった都度、随時行われます。

(⇔貨物輸送の場合は、偶数月締めで奇数月の20日ころ)

 

事前に岩手運輸支局から日程相談があり、都合の良い日を指定して東北運輸局より通知書が送付されてきます。

福祉タクシーの法令試験開催通知

 (試験通知見本)


持ちものとしては

  • 本人確認書類

  • 経営許可申請書(写)と運賃料金設定認可申請書(写)

  • 残高証明書等

  • 筆記用具

 

の4つです。

 

試験は岩手運輸支局側の準備等や事前の補正対応等もあり、申請から1ヶ月程度あとの日程となります。

 

そのため福祉タクシーの場合、この段階で2回目の残高証明書提出が求められます。

 

 

3.試験内容

 試験内容は○×式が20問、穴埋め式が20問程度です(試験によって異なる場合があります)。過去問集はありませんが、直近5回開催分については東北運輸局HPで公開されています。

 

出題範囲は

①道路運送法

②道路運送法施施行令

③道路運送法施行規則

④旅客自動車運送事業運輸規則

⑤旅客自動車運送事業等報告規則

⑥道路運送車両法

⑦道路運送車両法施行規則

⑧自動車点検基準

⑨道路運送車両の保安基準

⑩自動車事故報告規則

⑪その他一般乗用旅客自動車運送事業の遂行に必要な法令等

 

です。かなり広い範囲から出題されることが分かります。

 

80%以上の正解率で合格となり、不合格の場合は再試験となります。再試験の受験回数に制限はないようですが、再試験までは3週間程度要します。

 

不合格の場合だと事業開始が遅くなってしまうため、可能な限り1回で合格できるよう取り組みましょう。


なお、自動車六法等関係法令集を持ち込むことができます。

自動車六法、運行管理者基礎講習用テキスト 旅客編、旅客自動車運送事業等通達集


ただし、ご想像の通り全く勉強しないまま臨んでしまうと何がどこに書いているかすら分からず、探しているうちにあっという間に60分が経過してしまいます。


上記3つの教材と過去問を元に勉強し、当日は思い出せないときサブとして使用すると合格可能性が高まります。


過去問を3つ記載しますので、イメージを掴んでいただけたらと思います。

 

【例題】

①:○×問題

( )1年以上の懲役又は禁錮の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から5年を経過していない者であっても、一般旅客自動車運送事業の許可を受けることができます。

 

答え:×

 

②:選択式穴埋め問題

旅客自動車運送事業者は、乗務員が事業用自動車の運行の安全の(      )のために遵守すべき事項及び乗務員の(      )についての規律を定めなければならない。


答え:確保、服務

 

③:計算問題

下記表のとおり設定された運賃にて、普通車が6.5km実車した際の距離制運賃を算出して下さい。なお、時間距離併用制運賃・割増・割引はないものとします。

 

答え:2,620円

 

 

4.まとめ

 福祉タクシーのお客様は身体が不自由な方や高齢者など、特に配慮を要する方々です。

 

そのため一般的なタクシー以上に安全運行・法令遵守が求められると考えています。

 

法令試験はその知識を身に着け、そして福祉タクシー事業の責任の重さを確認するための大切なプロセスです。

 

しっかりと理解を深め、安全な運行を行うための基礎として取り組んでいただきたいと思います。

 

行政書士いのうえ法務事務所では岩手県内で福祉タクシーの開業を目指す方に向けて、許可要件を満たすための設計から申請書類の作成、許可後に運行を始めるまでのサポートまでトータルで支援を行っています。

 

「福祉タクシーを始めたいけど何から手をつけていいか分からない…」という方は、ぜひ一度ご相談ください。



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