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「点呼」の在り方が変わる/一般貨物自動車運送事業における自動点呼とは

  • 執筆者の写真: 行政書士 井上 知紀
    行政書士 井上 知紀
  • 1月23日
  • 読了時間: 6分

 こんにちは、行政書士いのうえ法務事務所の井上と申します。私は岩手県内を中心に、一般貨物自動車運送事業の新規許可申請や、運行管理体制の構築、監査対策に関するご相談を多くお受けしています。


運送業において「点呼」は、事故防止と法令遵守の中心となる重要な業務です。点呼の不備は、行政監査において真っ先に確認される項目であり、是正指導や行政処分に直結するケースも少なくありません。


近年、この点呼の在り方として注目されているのが「自動点呼」です。本記事では、一般貨物自動車運送事業における自動点呼の制度概要について、詳しく解説します。


【目次】


1.一般貨物自動車運送事業における「点呼」の基本

 点呼とは、運行管理者または運行管理者補助者(以下、運行管理者等)が運転者に対して運行前・運行後に実施する確認行為であり、以下の事項を確認・記録することが義務付けられています。


  • 酒気帯びの有無

  • 疲労、睡眠不足、健康状態

  • 車両の異常の有無

  • 運行上の注意事項の伝達


誰が行ってもいいわけではなく、運行管理者等が行う必要があります。特に業務の中心となる運行管理者を選任するには資格や長年の実務経験が必要で、小規模企業においては運行管理者が1名しかいないというケースも多いです。そのため


「早朝点呼のために運行管理者を常駐させるのが難しい」

「人手不足で管理者の負担が限界に近い」


といったお悩みを多くお聞きします。こうした背景の中で制度化されたのが自動点呼です。



2.自動点呼とは何か

 自動点呼とは、「国土交通省が定める基準を満たし、認定を受けた機器・システムを使用して実施する点呼」をいいます。


運行管理者が直接立ち会わずとも、アルコール検知、本人確認、体調確認、記録保存を適切に行うことが可能です。


ただし、自動点呼は「点呼義務の免除」ではないという点が重要です。あくまで点呼の方法が対面からシステムに置き換わるだけであり、運行管理責任が軽くなるわけではありません。


また対面での点呼自体が業務前と業務後とあるように、自動点呼も「業務前自動点呼」と「業務後自動点呼」の2種類あります。


それでは、そのような場合に自動点呼が認められるのでしょうか。



3.自動点呼を行うための要件

 一般貨物自動車運送事業で自動点呼を行うためには、以下の要件を満たす必要があります。


① 国土交通省の認定を受けた機器を使用すること

 自動点呼は、認定機器以外では一切認められていません。市販のアルコールチェッカーや独自アプリを使った点呼は違法となります。


認定機器には顔認証などの生体情報等に基づき、なりすましを防止する仕組みが備わっています。


② 異常時に運行管理者が関与できる体制であること

 アルコール反応が出た場合や、体調不良の申告があった場合には、運行管理者が速やかに対応できる体制が求められます。「完全放置型」は認められていません。


③ 運行管理規程等が整備されていること

 自動点呼を導入する場合、点呼・機器の使用方法や異常時対応などを運行管理規程に明記する必要があります。


【運行管理規定例】

(自動点呼)

第18条 事業者内の営業所または当該営業所の車庫において、「対面点呼による点呼と同等の効果を有するものとして国土交通大臣が定める告示」による機器を用い、当該営業所に所属する運転者等に点呼を実施できるものとする…



「IT点呼」を実施するためにはGマーク認定事業者(輸送の安全確保に関する取り組みが優良であると認定された事業者)でなければいけません。


ですが「自動点呼」の場合、上記を満たしていればGマーク認定事業者でなくとも導入することが可能です。


自動点呼解説パンフレット/国土交通省
自動点呼解説パンフレット/国土交通省

4.国交省の認定を受けた自動点呼機器の具体例

 認定を受けた機器は国土交通省のHPにて調べることができます。業務前点呼用として認定されたもの、業務後点呼用として認定されたもの(もしくはその両方で認定されたもの)がありますので注意してください。


以下では実務上よく導入されている代表的な認定機器をご紹介します。


①AI点呼システム(株式会社NPシステム開発)

  AIとの対話形式で点呼を進め完了させるシステム。業務前、業務後、どちらにも対応。

認定番号:JM25‐001、JG23-001、JG25-018

製品番号:TNK-NBSYS / TNK-DBSYSなど


②e点呼セルフ Typeロボケビー(東海電子株式会社)

  業務前後の自動点呼に対応した認定機器で、ロボット型のインターフェースが特徴。点呼結果は自動で保存される。

認定番号:JM25-002、JG23-006


③Business Support System(BSS)(株式会社アネストシステム)

  専用アプリでは静脈認証、スマートフォンアプリでは顔認証による本人確認を行う。

認定番号:JM25‐003、JG23-003


④タブレット自動点呼「kenco(ケンコ)」(株式会社ウイズ)

  タブレット端末を活用した自動点呼機器で、営業所だけでなく待機場所や宿泊施設でも使用可能。

認定番号:JM25‐004


⑤点呼+シリーズ(株式会社ナブアシスト)

  ロボット型・デスクトップ型など複数形態が認定されており、事業規模に応じた導入が可能です。

認定番号:JM25-009、JM25-010

製品番号:NRTAP200K、NDKAP200J


これらの機器はいずれも、アルコール検知・本人特定・点呼内容の記録保存といった法令要件を満たすことを前提に認定されています。



5.自動点呼導入にともなう手続き

 自動点呼を導入するためには、管轄の運輸局に対し届け出を行う必要があります。届け出の提出期限は自動点呼を行おうとする日の10日前です。


記載事項として使用する機器の名称や国土交通省の認定番号が必要となります。


自社で導入しようとする機器で自動点呼が行えるのかどうか(国土交通省の認定を受けているかどうか)事前に調べておく必要があります。


自動点呼の実施に係る届出書
自動点呼の実施に係る届出書


6.おわりに

 一般貨物自動車運送事業における自動点呼は、人手不足時代に対応した現実的な制度である一方、正しい運用ができなければ重大な法令違反につながります。点呼体制は、事業開始前から慎重に設計すべき重要項目です。


行政書士いのうえ法務事務所では一般貨物自動車運送事業の許認可取得に関し、営業所や車庫の適法性、開業までの運転資金、運行管理体制まで相談対応可能です。


下記よりぜひお気軽にご相談ください。



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