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建設業の”技術者”を徹底解説!4つの技術者(専任・配置・主任・監理)の違いについて

  • 執筆者の写真: 行政書士 井上 知紀
    行政書士 井上 知紀
  • 3月26日
  • 読了時間: 6分

更新日:4月18日

 「専任技術者」「配置技術者」「主任技術者」「監理技術者」は、建設業法においてそれぞれ異なる役割と要件が定められており、建設業許可の申請や工事の施工において非常に重要な存在です。


ただ4つとも「技術者」という名称がつくため混乱することが多く、それぞれの違いや要件が分かりにくいという相談をよくいただきます。


本記事ではそれぞれの技術者の役割、必要な資格や経験、そして建設業許可との関係について解説します。


岩手県内で建設業を営まれ、またはこれから許可取得を検討されている方のお役に立てれば幸いです。



【目次】



1. 専任技術者とは?

 専任技術者とは、許可業種ごとの施工技術力確保を目的とし、建設業法第7条第2項により配置を求められる技術者です。

建設業法第7条2項 その営業所ごとに、営業所技術者を専任の者として置く者であること。

現在は「専任技術者」ではなく「営業所技術者」という名称が用いられていますが、本記事では多くの方が使い慣れている「専任技術者」という名称を用います


建設業許可は29業種ありますが、それぞれの業種に応じた専任技術者を確保する必要があります。


「専任」とは、常勤であり専らその職務に従事すること意味します。


1-1. 専任技術者の役割

 専任技術者の主な役割は以下の通りです。


・適正な工事請負契約が結ばれるよう技術的なアドバイスや顧客への説明を行う

・現場の技術者等に対して、請負契約が契約内容通り履行されるよう指導監督する


1-2. 専任技術者になるための要件

 専任技術者になるためには、以下のいずれかの要件を満たす必要があります。


  • 指定された国家資格

    建設業の業種ごとに指定された国家資格(1級・2級建築施工管理技士など)を有すること

  • 特定の学科卒業+実務経験

    指定された学科(建築学、土木工学など)を卒業し、高卒の場合は5年以上、大卒と高専卒の場合は3年以上の実務経験を有すること

  • 10年以上の実務経験

    建設業許可の種類に応じた10年以上の実務経験を有すること


1-3. 専任技術者と建設業許可

 専任技術者は建設業許可を取得する上で必須の要件です。専任技術者がいない場合、建設業許可を取得することはできません。


また、建設業許可を取得した後も継続して配置する必要があります。


もし専任技術者が退職などで不在となった場合は、速やかに後任の技術者を配置しなければなりません。


専任技術者変更の届け出は変更の事実があった日から2週間以内に提出しなければならず、この2週間以内に新しく配置できないもしくは配置できる見込みがない場合は、廃業届を提出します。



2. 配置技術者とは?

 配置技術者とは、建設工事の現場に配置される技術者のことで、主任技術者と監理技術者の2つに分けられます。


これらの技術者は、建設業法第26条により工事の規模に応じて配置が義務付けられており、工事現場において工事の適切な施工と安全管理を担います。


  • 主任技術者:建設業許可を有する全ての建設工事現場に配置が必要

  • 監理技術者:元請けとして、下請けに依頼する金額が5,000万円(建築一式工事の場合は8,000万円)以上となる場合に配置が必要


つまり、一般建設業許可の場合もしくは特定建設業許可で下請発生金額が5,000万円(建築一式工事の場合は8,000万円)未満の場合は主任技術者を、下請発生金額が5,000万円(建築一式工事の場合は8,000万円)以上の場合は監理技術者を配置する必要があります。


主任技術者か監理技術者か

建設業法第26条第1項  建設業者は、その請け負った建設工事を施工するときは、当該建設工事に関し第7条第2号イ、ロ又はハに該当する者で当該工事現場における建設工事の施工の技術上の管理をつかさどるもの(以下「主任技術者」という。)を置かなければならない。

第2項  発注者から直接建設工事を請け負った特定建設業者は、当該建設工事を施工するために締結した下請契約の請負代金の額が第3条第1項第2号の政令で定める金額以上になる場合においては、前項の規定にかかわらず、当該建設工事に関し第15条第2号イ、ロ又はハに該当する者で当該工事現場における建設工事の施工の技術上の管理をつかさどるもの(以下「監理技術者」という。)を置かなければならない。

※技術者になれる人は2‐2にて解説


2-1. 配置技術者の役割

 配置技術者の主な役割は、以下の通りです。


  • 工事の施工管理

    現場での施工計画の作成、工程管理、品質管理などを行います。

  • 技術指導および安全管理

  現場の作業員に対して、適切な技術指導と安全管理の指導を行います。



2-2. 配置技術者になるための要件

 配置技術者になるための要件は、主任技術者と監理技術者で異なります。


  • 主任技術者:専任技術者と同様の要件を満たす必要がある

  • 監理技術者:1級の国家資格を持つか、専任技術者要件を満たしかつ2年以上の実務経験を有すること


監理技術者は、より高度な技術力と豊富な経験が求められるため、主任技術者よりも要件が厳しくなっています。


なお、専任技術者はその名の通り営業所の「専任」であるため各営業所の技術者を兼任することはできません。


また原則として配置技術者との兼任は認められていません。


配置技術者との兼任が認められる例外のケースとしては、下記をすべて満たす場合です。

  • 所属する営業所において締結された請負契約に基づく工事である

  • それぞれの職務を適切に行える程度に近接した工事現場であること

  • 営業所と工事現場で常時連絡をとりあえる体制であること

  • 配置技術者の現場への専任が求められない工事であること


上記の通り、配置技術者は一定の場合を除き専任ではありません。


専任が必要な場合については、令和6年末~令和7年2月に法改正が行われ複雑化したため、別記事にて解説します。

技術者の整理
各技術者について


3. まとめ

 今回は、建設業許可における「専任技術者」「配置技術者」「主任技術者」「監理技術者」の違いについて解説しました。


これらの技術者は、建設業許可の取得、維持、そして建設工事の適切な施工において、それぞれ重要な役割を担っています。


岩手県内でこれから許可取得をお考えの方は、まず社内に専任技術者の要件を満たせる人材がいるかどうか確認されることをお勧めします。


私の経験上、建設業許可取得を断念されるケースとして専任技術者要件を満たせないケースが一番多いです。


計画的な人材育成や採用活動が重要となります。


建設業許可の取得、決算変更届の提出、経営事項審査等でお困りの際は、専門家である行政書士いのうえ法務事務所までお気軽にご相談ください。



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