一般貨物自動車運送事業の運転手はアルバイトでも良いのだろうか?
- 行政書士 井上 知紀
- 6月14日
- 読了時間: 3分
更新日:9月6日
こんにちは、行政書士いのうえ法務事務所の井上です。一般貨物自動車運送事業を行っていくには、5台の車両と5名の運転手が必要です。では、運転手は適切な免許さえ有していれば誰でも良いのでしょうか?こちらの記事では、これから一般貨物自動車運送事業の許可取得を検討されている方向けにそんな疑問にお答えします。
【目次】
2.運転者の要件
3.結論
4.おわりに
1.運転者を選任する根拠
まず、一般貨物自動車運送事業において、常時運転者を選任しなければいけない根拠は「貨物自動車運送事業輸送安全規則」の中にあります。
第三条 一般貨物自動車運送事業者等は、事業計画に従い業務を行うに必要な員数の事業用自動車の運転者を常時選任しておかなければならない。 |
これは「常時選任運転手」と呼ばれます。
ではいったい、どのような人であれば運転者に選任できるのでしょうか。

2.運転者の要件
運転者の要件に関しては、第3条2項にその規定があります。
2 前項の規定により選任する運転者は、日々雇い入れられる者、二月以内の期間を定めて使用される者又は試みの使用期間中の者(十四日を超えて引き続き使用されるに至った者を除く。)であってはならない。 |
簡潔にまとめると
日雇いの方
2か月以内の契約社員の方
試みの試用期間の方
を常時選任運転者として選任することはできません。
「試みの試用期間の方」とは「試用期間にある方」とまた違った意味で、労働基準法上解雇予告が必要のない雇い入れから14日以内の期間にある方を指します。
3.結論
上記で確認したように、先述の3つに該当しなければアルバイトやパートの方であっても運転者として選任することができます。
ただし、個人事業主を常時選任運転手とすることはできません。
その理由は「名義貸し」となるからです。
運送業許可は法人または個人事業主が取得することができ、本来であれば運送業を行いたい個人事業主の方自身が許可を取得すべきです。
これを業務委託契約により運転手とすると、許可取得をせず(名義を借りて)営業することとなり違法行為となります。
またアルバイトやパートの方の場合、勤務時間が少ない等の理由で社会保険への加入義務がない方もいます。
その場合は加入していなくても良いのですが、加入義務がある場合には適切な社会保険への加入が許可要件となります。
4.おわりに
運送業界ではドライバー不足が顕著になりつつあり、将来的に円滑な物流が確保できないとすら言われています。
柔軟な働き方を尊重しつつもアルバイトやパートとしてではなく正社員として雇用することで、優秀な人材の確保につなげていくと良いのではと個人的に考えます。
本記事では、常時選任運転手としてアルバイトやパートの方でも選任できるのか、について解説をしました。
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一般貨物自動車運送事業のその他の許可要件について詳しく知りたい方は、別記事をご用意しておりますのでそちらをご参照ください。
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