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「白トラ」と改正貨物自動車運送事業法|岩手県の事業者が知るべき規制強化と緑ナンバー取得の重要性

  • 執筆者の写真: 行政書士 井上 知紀
    行政書士 井上 知紀
  • 2 日前
  • 読了時間: 9分

更新日:9 時間前

 2026年4月1日に改正貨物自動車運送事業法が施行され、全国的に話題となっています。これは、岩手県内でも例外ではありません。

 

特に増えているのが「白トラ」に関するご相談です。建設業や産業廃棄物収取運搬業の方が気にされるケースもありますし、岩手県は海に加え山もあり漁業や林業も盛んなため、漁業・林業に携わる方からご相談いただくケースもあります。

 

本記事では、岩手県盛岡市にある運送業専門の行政書士井上が、改正貨物自動車運送事業法について詳しく解説をします。


 【目次】


1.はじめに(白トラとは何か)

 まず基本的なところから整理しましょう。トラックのナンバープレートは大きく分けて「白ナンバー(自家用)」と「緑ナンバー(事業用)」の2種類あります。


緑ナンバーとは、国土交通省から「一般貨物自動車運送事業」の許可を受けた事業者が使用するナンバーです。他人の荷物を有償で運ぶためには、この緑ナンバーの取得が法律上義務づけられています。

 

一方、白ナンバーのトラックは本来、自社の荷物を自社で運ぶ「自家用」として認められているものです。ところが実態として、白ナンバーのまま他人の荷物を有償で請け負って運搬する行為が横行しており、これが「白トラ(白ナンバートラックによる違法運送)」と呼ばれ問題視されてきました。

 

  • トラックで他人の荷物を運ぶ

  • 運送の対価として金銭を受け取る

 

この2つが揃えば、原則として運送業の許可が必要です。ここで「運送料じゃない名目で請求すればいいでしょ」と考えるのは危険です。

 

名目のいかんを問わず、実態が「運送に対する対価」であると許可が必要となります。

 

 

2.なぜ白トラは問題なのか

 依頼する側からすれば、可能な限り運送費を抑えたいと考える気持ちはわかります。しかし白トラは、業界全体と社会に対して深刻な悪影響を及ぼします。

 

1)コスト面での不公平競争

 緑ナンバーを取得している運送業者は、運行管理者の選任、車両の定期点検、運転者の労務管理、各種保険の加入など、多くのコスト、時間、手間を負担しています。白トラはこれらを負担していないからこそ運送料金を安く設定でき、正規の緑ナンバー事業者が価格競争で太刀打ちできない状況が生まれています。

 

2)安全面のリスク

 白トラは運行管理体制や点検整備が不十分なまま運行されるケースが多く、事故発生時の補償問題も複雑になりがちです。保険に加入できないため、人身事故を起こした場合には損害賠償金を支払えず、他人の家族に加えて自分の家族にも迷惑がかかります。自らの人生を棒に振る危険性もはらんでいます。

 

3)ドライバーの労働環境悪化

 緑ナンバーの場合は、連続運転時間(原則4時間)や休息・拘束時間、残業の上限などに厳しい決まりがあり、労働環境が改善されてきています。その一方で白トラの場合は個人事業主として低い運賃を強いられ、長時間労働や劣悪な環境で働かされているケースも少なくありません。上記2)にも関連しますが、無理な運転が続くと事故に繋がる可能性が高まります。

 

 


3.改正貨物自動車運送事業法で何が変わったのか

 こうした問題を解消するため、今回貨物自動車運送事業法が改正され、白トラに対する規制が大幅に強化されました。

 

その最大のポイントは、「その運送を依頼している側にも責任が及ぶようになったこと」です。

 

具体的には、荷主企業が白トラであることを知りながら運送を依頼した場合、または知ることができたにもかかわらず依頼した場合、荷主自身も行政処分や勧告・公表の対象となる可能性があります。

 

これまではあくまで白トラ事業者のみを罰則の対象としていたため、罰則が荷主には及ばず、荷主が優先的に運送費の安い白トラ事業者を選ぶケースがありました。

 

また白トラ事業者に依頼しない場合でも、白トラ事業者と価格を競わせ、緑ナンバー事業者の運賃を不当に安くさせていたケースもあります。

 

  • 元請が仕事を受けて外注に出す

  • 台数が足りず別の事業者に振る

 

といった流れは一般的ですが、その過程で無許可の運送が行われていた場合、今後は関係者全体が調査対象になる可能性があります。

 

 

4.白トラの罰則

 では実際、白トラ行為を行うとどのような罰則が適用されるのでしょうか。貨物自動車運送事業法では以下の罰則が定められています。

 

  • 3年以下の懲役

  • または300万円以下の罰金

  • またはその両方

 

刑事訴訟法上、これらの時効は3年であり、最後に白トラ行為をしてから3年間は起訴される可能性があることを意味します。そのため「やめたから安心」というわけでありません。もしこの記事をご覧いただいている方の中に白トラをされている方がいらっしゃれば、即刻やめてください。

 

もちろん要件を満たせばすぐにでも緑ナンバーの取得を検討していただきたいのですが、そう簡単な話でもありません。

 

緑ナンバーの許可申請時には会社役員の履歴書を添付します。虚偽の申請は当然許されませんし、その際に白ナンバー行為が発覚し起訴される可能性が0ではありません。

 

そのためもし穏便に緑ナンバーを取得したいと考えるのであれば、一刻も早く白トラ行為をやめ、かつ3年間は会社員として勤務(または別の事業を行う)し、3年の時効が成立してから許可申請を行うことをオススメします。

 

 

5.岩手県の事業者に起きている変化

 すでに緑ナンバーを持っている会社の経営者様、白トラをしていた方からの相談、商工会議所での相談員業務などを通し、荷主が無許可業者への依頼を控える動きが活発になったと感じています。

 

白トラ事業者が廃業したという複数の情報や、緑ナンバー事業者からは仕事が増えたとの情報が入ってきています。

 

まさに効果は絶大であり、むしろなぜもっと早くやらなかったのかとすら感じています。

 

日本の運送業界は人手不足が叫ばれ、白トラ事業者の存在がその一手を担ってきたのも1つの事実だと思います。

 

その一方で、緑ナンバーを取得された事業者はコストも時間もかけ許可を取得し、かつ許可後も日々の運行管理や毎事業年度終了後の事業報告など、適法に運送業務にあたってきました。

 

白ナンバーと競合になることで金額を下げざるを得ないケースが多々あり、それが業界の値崩れを起こしているといっても過言ではありません。

 

運送報酬が低いと必然的に利益が少なくなり賃金を多く支払うことができず、働き手が集まらない。そして使い勝手のよい白トラ事業者が重宝され、不当な価格競争となる…

 

そんな負の循環を生み出していたことも事実です。

 

このような法改正の流れの中で今後も運送業を継続するのであれば、緑ナンバーの取得は必須です。白ナンバーを継続するという選択肢はありません。

 

 

6.緑ナンバーが不要なケース

 さて、ここまでは主に「緑ナンバーが必要なケース」について解説を行ってきましたが、緑ナンバーが不要とされるケースもあります。

 

この2026年4月改正貨物自動車運送事業法は、特に建設業や産業廃棄物収集運搬業に混乱をもたらすと想定されていました。そのため建設業と産業廃棄物収集運搬業に関しては、緑ナンバーの取得が不要な条件について国土交通省が事務連絡により周知を図っています。

 

1)建設業(建設ダンプ)

 建設現場で土砂などを運ぶ際、以下のどちらかに当てはまれば緑ナンバーは不要です。


① 「自分の持ち物」を運ぶ場合

 自分が所有する貨物を自分で運送する場合には、他人の需要に応じた運送ではなく運送対価も発生しないため、許可は不要です。

具体例: 土砂販売業者が、販売目的で購入した土砂を自社の従業員に運搬させる場合など

 

② 本業に付帯して運ぶ場合

 他人の持ち物を運ぶ場合でも、以下の条件をすべて満たせば、許可は不要です。

  • 工事とセット: 自分が請け負った工事から出た残土を運ぶ場合など、メインの仕事と切り離せない場合(密接不可分な場合)。

  • 一貫して自分で行う: 工事から運搬まで自社で一貫して行うこと。

  • 運賃をもらわない: 名目が何であれ、運送の対価としてお金を受け取らないこと


※具体例①:建設工事を請け負った建設会社が、自社の行う建設工事に付帯する業務として、 その建設工事から発生する残土等を自社の従業員に運搬させる場合

※具体例②:土砂等販売を代行する個人事業主が、土砂等販売代行に付帯する業務として、販売する土砂等を自分で運搬する場合

 

「自分で運んでいる」と言えるためには、運転手と適切な雇用関係があることが求められます。あくまで実態で判断されますが、以下のポイントがチェックされます。

  • 労働契約を結んでいるか

  • 労働条件通知書を交付しているか

  • 報酬を「外注費」ではなく「給与」として支払っているか

  • 社会保険等に適切に加入しているか

  • 会社の指示(指揮命令)に従って動いているか

  • (運転手が持ち込んだダンプを使う場合)車両を仕事で使うための契約を交わしているか

 

2)産業廃棄物収集運搬業

 産業廃棄物収集運搬業が、排出業者(ゴミを出す側)と「収集運搬」の契約を結びその一連の流れの中で運ぶ場合、緑ナンバーは不要です。

 

これは「運ぶこと(運搬)」よりも「片付けること(収集)」がメインの仕事だと考えられるからです。

 

逆に、収集の契約はせず、指定された場所まで「ゴミを運ぶだけ(運搬するだけ)」という仕事を受ける場合は、運送業の許可が必要になります。

 

産業廃棄物収集運搬用のトラック

 


7.おわりに

 本記事では2026年4月施行の改正貨物自動車運送事業法について、白トラの危険性、法改正内容、緑ナンバーが不要な場合の観点から解説を行いました。

 

建設業と産業廃棄物収集運搬業ではこれまでも「緑ナンバーが必要なのかどうか」と論じられてきましたが、今回の法改正により必要な場合と不要な場合が明確化され、安堵されている事業者様も多いと思います。

 

その一方で今回大きな影響を受けるであろう林業に関する事務通達はありません。

 

岩手県では土地柄林業が盛んなため相談が多く、運輸支局の方も「林業は白ナンバーが多いのでは」と話されていました。

 

そこで行政書士いのうえ法務事務所では林業において想定しうるケースについて照会を行い、かつ林業に対する事務連絡も出してほしいとお願いをしております。

 

緑ナンバー取得を検討される際には、申請実績豊富でかつ運行管理資格を有する行政書士いのうえ法務事務所まで、お気軽にご相談ください。

 


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